2015年10月17日土曜日

公共財政管理について

あらゆる公共政策に関係するものの一つとして、「財政」が挙げられる。いつ、どこで、どのような公共政策を実施するとしても、例外なくお金が必要となる。道路や発電所といったインフラ事業はもちろんのこと、教育であれ、保健であれ、社会保障であれ、予算がなければ事業は実施できない。仮に民間企業の活力を存分に活用した結果、公共政策の実施の際に特定の支出がかからなかったとしても、そのための企画・調整にあたった職員の人件費は必要だし、やはりお金は関係する。公共政策とお金は切っても切り離せない関係である。

日本でも財政の議論自体は昔からなされている。緊縮財政、拡張財政といった大きな議論や、税制体系、国から地方への補助金なども、財政学の分野で長年にわたり議論が蓄積されてきた。しかしこれらの多くはいかに「制度」を変えるかといった点が中心であり、その制度をいかに「実施」していくかという視点でのアカデミックな議論は多くない。特に公的資金を行政機関がいかに管理するかという「公共財政管理」の議論は、海外では盛んに行われているものの、あまり日本ではなされていない。日本はこれほどの財政赤字大国になってしまったにもかかわらず、財政の議論は、不思議なほどマクロ的・制度的な内容に終始しており、公共経営的発想に基づく「公共財政管理」の重要性が語られることが極めて少ない。

このような問題意識のもと、本ブログでは、日本の公共財政管理の現状や、海外での公共財政管理の改革事例などを紹介する。また世界ではどのような形で公共財政管理の議論がなされているのかといった、公共財政管理論議の潮流も併せて紹介する。

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